フェイルセーフとは…
フェイルセーフは、ドローンの自動操縦システムに組み込まれた安全機能の一部で、予期せぬ問題や障害が発生した場合に、ドローンが自動的に安全な状態に戻る仕組みを指します。
以下は、フェイルセーフの主要な説明になります。
1. **帰還機能**:ドローンのフェイルセーフ機能には、自動帰還機能が含まれています。これは、ドローンが通信障害やバッテリーの低電量などの問題を検出した場合、自動的にホームポイントに帰還し、安全な着陸を行う機能です。
2. **ロスレスコントロール**:フェイルセーフシステムは、リモートコントローラーとの通信が一時的に失われた場合でも、ドローンが安全に制御可能な範囲内で飛行し続けることを確保します。
これにより、ドローンが制御不能になることを防ぎます。
3. **低バッテリーリターン**:ドローンのバッテリーレベルが臨界点に達した場合、フェイルセーフ機能は自動的に帰還プロセスを開始します。これにより、バッテリー切れによるドローンのクラッシュを防ぎます。
4. **障害物回避**:最新のドローンモデルには、障害物センサーや衝突回避機能が備わっており、ドローンが自動的に障害物を回避して飛行することが可能です。
これは、フェイルセーフの一部として、安全な飛行環境を確保するために活用されます。
5. **GPSの利用**:フェイルセーフシステムは、GPS技術を使用してドローンの正確な位置を把握し、安全な帰還を実現します。GPSが利用できない状況でも、地図データやセンサー情報を活用して安全な飛行を支援します。
フェイルセーフ機能は、ドローンの運用において非常に重要であり、操縦者や周囲の安全を保護するために設計されています。
これらの機能は、ドローンの制御と操作に信頼性と安全性をもたらし、トラブルや問題が発生した際に重要なバックアップとして機能します。
皆様、フェイルセーフ設定どの様にしていますか?
飛行の際、毎回変更しますか?
いくつかのシーンでフェイルセーフ設定をまとめてみました。
シーン1
⚫︎撮影場所:山頂から山の尾根を撮影
⚫︎天気:晴れ(霧あり)
⚫︎時間:日の出
⚫︎機体:DJI Mavic 3 pro Cine
⚫︎フライトモード:Nモード
⚫︎ホームポイントからの距離:約1km
山の尾根&山頂の小屋を撮影していました。
そこで霧の中に入り込みプロポと機体の伝送が遮断されました。
この時のフェイルセーフ設定はRTH?着陸?ホバリング?ご存知だと思いますが「RTH」が正解になるかと思います。
ですが!設定を「着陸」や「ホバリング」のままにしていたらどの様になりますか?
ホバリング設定の場合はプロポを片手に持ちドローンがあるであろう方向に、歩いていき伝送が復活するまでひたすら近くによって行かないといけません!それが山を2つ越える事になったとしても!
その間に電池の残量もなくなり墜落してしまうのではないでしょうか?また、着陸設定にしていた場合は….
同じくドローンが着陸をしたであろう方向まで歩いていく!ドローンを探す機能で反応するのか?電池の残量が0になった際は
見つからないのでは…最後にドローンを見失った場所はなんとなく特定が出来たとしても、
高い木の上に引っかかっている場合もあると思います。
シーン2
⚫︎撮影場所:川
⚫︎天気:晴れ(霧あり)
⚫︎時間:昼間
⚫︎機体:DJI Mavic 3 pro Cine
⚫︎フライトモード:Nモード
⚫︎ホームポイントからの距離:約800m
2mの川幅!周りは草木があり細い枝もあります。
水面ギリギリを飛行中、雰囲気の良い霧をくぐった瞬間に…機体とプロポがなぜか遮断!
この時のフェイルセーフ設定はRTH?着陸?ホバリング?ご存知だと思いますが「ホバリング」が正解になるかと思います。
RTHにしてあった際は、上空枝や木にぶつかり落下又は引っかかり機体を取ることは困難になります。
着陸の設定になっていた際は…川に落下してしまい使用が出来なくなってしまうと思います。
ホバリングが正解とも言えませんが、川幅2mぐらいでゆるやかな流れであれば回収は可能かもしれません。
機体があるであろう場所まで歩き機体とプロポが再度接続する位置までいく。
コントロール可能になった際は安全の場所で着陸させるなど対処可能です。
シーン3
⚫︎撮影場所:山林の中
⚫︎天気:晴れ
⚫︎時間:昼間
⚫︎機体:DJI Mavic 3 pro Cine
⚫︎フライトモード:Nモード
⚫︎ホームポイントからの距離:約1km
山林の中より木と木の間を抜けてその後、広大に広がる牧場風景の撮影を想定。
障害物検知でうまく木と木の間を抜け切った!上昇して馬をとらえ撮影していたら!機体とプロポが遮断!
この時のフェイルセーフ設定はRTH?着陸?ホバリング?
ご存知だと思いますが「ホバリング or 着陸」のどちらかが正解になるかと思います。
RTHでホームポイントに戻す事になります。
山林の中より離陸なので、戻ってくる際は木に引っかかってしまう可能性があります。
ホバリング or 着陸がどちらでもいいかと思いますが、その時にシーンで変えた方が設定をした方がいいのでは。
例)広大な牧場は馬が踏んでしまったり!動物を驚かせる事になります。
ないかとは思いますが口にしたりするケースもあると想定してください。
ここで私が選ぶとしたらホバリングにしますかね!着陸の際にプロペラなど草木で破損も考えました。
予備でプロペラを持っていないとした場合、撮影にも支障が出ます。
ホバリングであればそこまで急ぎでいき、機体とプロポを再度接続します。
そこで安全に着陸できる場所を探します。
まとめ
飛行するシーンによって「フェイルセーフ機能設定」は変更してみてください。
私も過去に機体とプロポが遮断され!焦った経験があります。
石廊崎灯台を朝方飛ばし1kmもしない場所で遮断され急ぎで機体に近づきプロポと機体を接続して戻す事が出来ました。
歩いていける場所だったからよかったのですが、歩いていけない場所だった場合は電池がなくなるまでそのまま放置するしかありません。
電池がなくなり海に落下して使えなくなると思います。
この時、ホバリングの設定になっていましたが、正解はRTHでした!これ以降、飛行する時は確認作業して飛行させています。
また、ホームポイントもきんち更新してから飛行はマストです。
事前に現地調査やGoogleマップで地形を把握もしておくことをおすすめします。
皆様も安全な飛行を心掛けてみてください。